8月だよ。8月だよ！
何をかくそう8月生まれなので、いよいよ8月を生きなければという気持ちになる。別に生きなければと思わなくても自律神経の働きや日々のちょっとした楽しみによって生きるわけだけれども、この時季にはやっぱり西瓜を食べなければ、並木の緑を、蝉の鳴き声を、陽射しと熱を焼き付けなければと思う。春の桜よりも切実に。夏が好きなのは8月生まれだからというのもあるんであろう。どの季節が終わるよりも夏が終わるのがかなしくて、小学生時分から寝転がって窓の空を見遣っては「ああ、あの雲が往ったら夏が終わる」と思うような悲観的な子供であった。
